小田急の新型通勤車両5000形のお披露目会に参加
12年ぶり、2020年デビューする新型の乗り心地は?
広い車両基地の奥まったところに、新型車両5000形が停まっていた。工場から出てきたばかりのピカピカな姿を見せてくれる。
まずは外観から。先頭車はゆるやかな流線型で、JR東日本のE233系に似ている。運転台は大きな1枚窓で、近年の小田急通勤型車両に見られた貫通扉はない。つまり、地下鉄千代田線には直通しないで、小田急線内のみの運行となる。また、10両固定編成なので、分割併合もないし、短い編成で箱根湯本まで乗入れることもない。
小田急の通勤形車両と言うと、1969年に登場した初代5000形以来、白地に青帯という塗装で、車体がステンレスに代わっても、青帯は変わらなかった。今回も青帯は踏襲しているものの、インペリアルブルーという濃紺の帯とアズールブルーという明るい青の2色を並べて新しさをアピールしている。
待望の車内へ。真っ先にオレンジ色のシートが目に留まる。これまでの小田急の通勤型車両にはなかった色合いだ。さっそく腰をおろしてみると、クッションが柔らかく通勤電車とは思えないほど心地よい。唐木田まで乗ってきた電車よりも快適である。床は木目調のフローリングで、これは近年のはやりだ。もっとも、東急2020系や京王新5000系のように、足を投げ出すことを心理的に抑制するような塗り分けをしていない。そのせいか、車内が広々した感じになる。また、ドアや壁を白く塗ることで広く見せ、混雑で窮屈になる車内を少しでもゆったりさせようとの配慮かもしれない。実際、今回の車両は4000形と比べると11cm広い拡幅車体だ。もっとも車体下部を絞り込んでいるので、ホームと接触するなどの心配はない。
ドア脇の仕切り板も高くしているので、立ったままもたれても隅に座っている人と接触してトラブルになることも避けている。板が高いと車内の圧迫感が強まるものだが、半分は透明にして和らげている。防犯対策としてカメラを各車両4台ずつ設置して安全対策も万全だ。また、号車番号の脇に隣の号車番号を案内するなど、細かいところにも気を配っている。トイレがあるわけではないので、それほど実用的な意味はなさそうだが、何かの設備を追加したときへの布石だろうか。
これまでの通勤型車両よりさらに進化した感のある2代目の5000形。各種試験や試運転を経て2020年春にデビューするとのこと。乗車できる日が待ち遠しい。
取材協力=小田急電鉄
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